クリエイターインタビュー vol.3: ディレクター・YouTuber三谷三四郎

2024.07.29 インタビュー

三谷三四郎
街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜
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1987年東京都生まれで法政大学を卒業
大学在学中からお笑いに興味を持ち、テレビ番組の制作会社でキャリアを開始。テレビ朝日映像でアシスタントディレクターを務めた後、フジテレビや日本テレビ、TBSテレビなどの番組で活躍。
2019年にフリーディレクターとして独立し、2020年3月にYouTubeチャンネル「街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜」を開設。街頭インタビューを通じて一般人のユニークな人生経験を紹介することで人気を博し、チャンネル登録者数は150万人突破。
そんな普段インタビューする側である「街録chの三谷三四郎」とはどんな人なのか?

動画の大量生産時代 消費と生産のはざまで効率よく動画を創り出すには?「街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜」三谷三四郎さんインタビュー

■三谷さんがテレビマンからYouTuberに転身したわけ

――三谷さんは大学卒業後、すぐテレビマンになられたのですね。もともとテレビの仕事をしたいと思っていたのですか?

三谷三四郎さん(以下、三谷さん)
いやいや違います。自分にできそうな仕事を探して、消去法で残ったのがテレビの制作会社だったというだけです。
実は大学3年の秋くらいまで、まったく就職活動をしていませんでした。なんとなく教職だけは取っていたのですが、親からいつも「お前にネクタイを締めてスーツを着る仕事は無理だと思う」と言われていて、自分でもそれはそうだなと。
そこで、テレビの世界なら堅苦しくないと思って、キー局の入社試験を受けたのですが、全部きれいに落ちてしまいました。
そうこうしているうちに大学4年生の秋になって、テレビの制作現場にADを派遣する会社に空きが出て、そこにギリギリで採用されたという流れです。

――ADになってからは、どういう仕事をしていたのですか?

三谷さん 派遣先が大きな会社だったので、バラエティ・報道・情報など、部署がいくつもありました。そのなかで、僕は情報の部署に入ることになりました。
情報というのは、お昼のワイドショーなどを作る部署ですね。そこでテープ運びなどをしていたら、帯番組(毎日同じ時間に放送する番組)を作るチームに回されました。帯といっても内容は商品PRで、長さは1分半しかありません。
尺が短い上に帯なので、チームは少人数で、作る本数がとにかく多い。しばらくすると、テレビ番組の作り方が大体わかってきました。気がついたらチーフという肩書がついていて、カメラマンが撮ってきた映像を自分で編集するようになっていました。

――小さな部署に入ったからこそ、速く成長できたのですね。

三谷さん まさにそうです。大きな部署に入ると、会議室の確保や弁当の手配など、ADとしての雑用がたくさんありますから、映像を触る仕事には、なかなかたどり着けなかったでしょうね。
テレビ業界には、気がついたら11年もいました。そのうちディレクター歴が長くなってきて、自我のようなものが芽生えてきました。自分が好きなように、番組や映像を作りたい。そう思うようになってきたのです。
ディレクターという肩書は立派ですが、結局はテレビ局から発注されて、言われたものを作るだけです。作って、出して、直して、そんなことの繰り返しです。

――そこでYouTuberを目指した?

三谷さん そうですね。テレビ業界に入って10年くらい経ったあたりで、YouTuberがどんどん市民権を得るようになってきました。なんならテレビマンの自分も、暇なときにスマホでずっと見ている。なかでも北朝鮮旅行記の動画が衝撃的でしたね。とても自由にコメントしていて、見ている側もドキドキしながら見ている。こういうのって、面白いなあと。
あとはフワちゃんの編集の自由さや、ヒカルさんの企画力にも驚きました。こんなの僕が局に提案を出しても、絶対に通らないなと。YouTubeに、ものすごく自由というものを感じましたね。

――「街録ch」の構想にいたったきっかけは何だったのですか?

三谷さん テレビのディレクターを目指す人って、あこがれの芸能人と大きな仕事をしたい、という人が多いのですよね。自分もそういう「楽しそうだな」というイメージで、なんとなくテレビの世界に入ったのですが、実際に仕事をしてみると、一般の方を番組に出したり、インタビューする企画の方に魅力を感じるようになって。
実際に、年末の大型お笑い特番のチームにも入ったことがあるのですが、チーム割りや仕事のフローがもう完全にできあがっていて、頭を使わなくてもできるというか、自分のクリエイティビティを入れる余地がありませんでした。
こういう番組は優秀なチーフADが10人いれば作れるという体制になっているので、芸人さんは全力で笑わせに来ていますが、僕たちスタッフの個性が入るような余地はほとんどないのです。僕は、これだとライフワークにはならないな、と感じてしまって。
このあたりで、自分でYouTubeチャンネルを作ってみようという気になっていました。みんなが知らない人を面白く紹介する。やりたいことを自由にやる。そのほうが豊かな人生だろうという確信めいたものもありました。
なにより、親に「ネクタイ締めてスーツ着る仕事は無理」と言われてテレビマンになったのに、いつの間にか中間管理職になるコースに乗っている自分がいたのです。それが33歳くらいの時かな。いまから4年前の話です。
YouTubeをはじめた当初は「1000人から話を聞いたら、取材対象者のお友達10人ぐらいが登録してくれるだろうから、1万人になるだろう」というくらいの成算でした。それがどんどん大きくなって、会社を辞めて、今は専業YouTuberです。

■ユーザーの消費パターンは変化している

(マジメ10th記念OPVTR撮影風景)

――ここからはテクニカルなことをお伺いします。YouTuberのお仕事をされていて、ユーザーの行動パターンに変化を感じることはありますか?

三谷さん 専業のYouTuberになって3年が経ちましたが、その中でも大きな変化がありました。まず、ユーザーの年齢層が変わりました。若者だけのものではなくなり、幅広い世代の人が見るものになりました。
あとは尺の長さ(動画の分数)に関する意識も変わりました。YouTubeの黎明期には、尺は短いほうが良い、10分以上ある長尺の動画は見られないと言われていましたが、今は全然そんなことはありません。1時間を超える動画も普通にあるし、再生されています。
自分のチャンネルだと、40代から50代くらいの人が、作業をしながら、運転をしながら、家事をしながら聞いてくれたりしているのです。だから尺は長くても大丈夫。それどころか、尺が短い動画が次々と再生されるのを「面倒」と感じる人が増えていると思います。若者が張り付いてザッピングをしていた、かつての短い動画がどんどん減ってきて、少なくとも、もうYouTubeの中心ではなくなっています。

――YouTubeショートやTikTokに関してはどうお考えですか?

三谷さん ショートクリップの動画を見たいという人は、YouTubeではなく、InstagramやTikTokをまず起動します。短い動画を求めている人は、そもそもYouTubeを選ばないのですよね。
自分もYouTubeショートやTikTokで動画をリリースしていますが、音楽の代わりに流しておく、暇つぶしのような見られ方をしていると思います。ショート動画は、作り方もそれに合わせて変えています。
具体的には、元の動画の印象が強いところを抜いて、30秒でつないでいます。もうひたすら、この強いところだけをピックアップしています。テレビのアバンタイトル(本編の前に流される映像)に近いですね。物語や筋道はどうでもいいから、強いシーンを詰め込んで、人目をひく。

――三谷さん的には、ショート動画は流入を作るものという位置付けなのですね。

三谷さん 単純に広告だと思ってやっていますね。こんなのあるんだ、見てみようかな、と思ってもらえればいいのです。
ショート動画は、伸びるときの勢いが普通の動画とまったく違います。1日で50万回くらい再生されて、気がついたら1000万回を超えていることもあります。この宣伝効果は大きいですよね。
ただ、メインをショート動画に切り替えているYouTuberもいますね。僕が数年前から見ている語学系のYouTuberさんは、完全にショート動画がメインになりました。この人は子供のための語学教材を売っているので、ショート動画で名前が売れればいい。動画そのものの採算は度外視できるわけです。だからロングの動画を捨てられる。

■三谷さんの動画制作のプロセスについて

――三谷さんはどういう体制で動画をリリースされているのですか。具体的なプロセスを教えていただきたいです。

三谷さん まず大前提として、僕の場合は出演者がいないとはじまりませんから、出演者を探します。これは自分でネットを検索してお願いする場合もありますし、チームで人を探すこともあります。
具体的には、テレビ時代にお世話になっていたリサーチャーさんに制作チームに入ってもらって、定期的にネタ出しの会議をしています。ここで、出演者の候補を挙げてもらいます。
あとは、自分から応募してくださる方ですね。出演者探しはこの3本が柱になっています。今では、応募で出演してくださる方は全体の2割くらいになっています。

――撮影の場所などはどうやって選定されていますか?

三谷さん 出演者の方と折り合いがつく場所ですね。必要であれば地方に撮影に行くこともありますし、逆に地方から東京に出てきていただくこともあります。
公園などでの撮影が多くなっているのは、お金のかからない場所でやりたい、というのもあります。ただ、東野幸治さんに出ていただいた回がとても良くできていて、それがポリシーのようになっている部分もありますね。
東野さんの撮影では、はじめは街中で撮っていたのです。ところが途中で雨が降ってきて、車の中に移動して撮影した。それが実によかったのです。
逆に、東野さんほどの芸能人をスタジオで撮影すると、それはもう街録じゃないというか、チャンネルのキャラクターが変わったなと思われちゃいますよね。そういう動画を出してしまうと、今まで見てきた人も、熱が冷めるのではないかと。なので、台風がきたりしない限りは、極力今のスタイルでロケーションを探しています。
あとは屋外での撮影だと、時間の経過が伝わるのがいいですよね。白壁のスタジオで同じライティングだと、映像にずっと変化がない。外だと、太陽が沈むごとに映像の色合いが変わってくる。通行人がいて背景に変化がある。
あとは路上で撮影していると、想像もしないイベントやハプニングも時々起こります。以前、がんで子宮を摘出した方のインタビューをしたことがあるのですが、背景に小さい男の子の遊ぶ声が入ってきて、しばらくすると、男の子が遊んでいたボールがこちらに飛んできたのです。こういうのは、スタジオ撮影やラジオでは起こり得ないですね。街録の奥深さだと思うのです。

――撮影は何人くらいのスタッフで行っていますか?

三谷さん 基本的に僕だけです。僕がカメラを持って、ディレクターとして相手に質問をして、周りのことを気にせず、心ゆくまで話してもらいます。基本的に、ずっとこのスタイルです。
ただ、最近少しだけ変化をつけました。ディレクター志望の若い子がチームに入ってきたので、音声だけBluetoothで飛ばして、その子に離れたところで聞いていてもらうのです。
そして、僕が「一通りのことが聞けたな」と思った時点で休憩をとって、その子の意見を聞くのですね。具体的には、インタビュー中に「これも聞いたほうがいい」と思ったことを、僕の携帯にずっとLINEで飛ばしてもらっています。それを元にして、追加の質問をします。インタビューに深みが出るようになったので、これはやってよかったですね。粘りが効いて、いいコメントをいただけます。

――ポスプロ(仕上げ)の作業に関してもお一人でやられていますか?

三谷さん これはもう、一人では絶対に無理ですね。撮影をしたら、まずその回の編集担当を誰にするかを決めます。今は7人くらいの編集マンにチームを組んでもらって、適宜仕事を割り振っています。ただし、クオリティやトーンマナーのコントロールは必要なので、自分が以前に作った動画を見てもらったり、マニュアルを共有したりしています。
作ったもらった動画を回収して、僕が直して仕上げます。セリフを切ったり、伸ばしたり、テロップの文言やBGMを変えるといった作業ですね。そして動画を公開して、お客さんの反応を見て、それを参考に新しい動画を作っていく。これが編集のワンクールになります。

――プロセスを今後こう変えていきたい、といった展望はありますか。

三谷さん コスト管理をさらに追求したいですね。例えば、テレビと同じクオリティの整音作業をやろうとすると、動画一本あたりの制作単価が数万円変わってきます。動画をリリースして、再生数に勢いがついている間は気にならないのですが、再生数が落ち着いてきたときのことを考えると、やはり単価が気にかかります。
ただ、最近は生成AIが進化してきたので、一本あたりの単価を下げることができるようになってきました。具体的には、カットインする画像の作成を生成AIに切り替えています。生成AIだと、再現イラストではなく再現写真を作ることができるので、リアリティが増しますよね。これがワークフローに定着しつつあって、お客さんの反応を見ながらですが、効果的であれば引き続き使っていくと思います。

■三谷さんの動画編集ソフトとツールについて

――動画編集ソフトはどれをお使いですか。

三谷さん Premiere Proですね。普段の編集はこれ一本でやっています。特殊なプラグインやエフェクトを使っていた時期もあったのですが、多人数の編集チームでプラグインを使っていると作業効率が落ちますし、そもそも特殊なエフェクトを使っても、再生回数や視聴時間は伸びなかったというデータがあります。結局、かっこいい映像を作りたいという自己満足にしかなっていないとわかって、やめてしまいました。
それよりも、ワークフローをシンプルな形に整理して、定期的に、できれば毎日映像を投稿するほうが大事です。
今ではテロップで使う色は2色まで、エフェクトも1種類だけなりました。具体的には、喋っている人の顔の真ん中に、ツッコミ的にテロップを入れるというエフェクトだけ使っています。あとは黒い画面に白い文字を乗せるくらいのもので、効果としては、実際には3種類くらいしかないのです。
このワークフローを共有しているから、チームメンバーがプロの編集マンでなくても、テレビの仕事をやったことがなくても、一定のクオリティの動画を出せているとも言えますね。また、Premiere Pro一本に絞ることで、チーム作りそのものにもメリットがありました。使える人が多いので、求人がしやすいのです。

■コンテンツの質を高めていくためのクリエティブ戦略

――次は音楽についてお伺いします。三谷さんは選曲作業をかなり大事にされていると聞きましたが、音楽の選び方のセオリーや、好みなどはありますか?

三谷さん 音楽には、話の骨格をわかりやすくさせる力があると思っています。適切な音楽がつけられていれば、冒頭だけ見ても、暗い話をするのか、明るい話をするのかがわかります。
思い出話をしているときも、背景にノスタルジックな音楽を流すと、懐かしい風景を今思い出しているのだな…と伝えることができますよね。
むしろ音楽の力のおかげで、まったく知らない人のエピソードを視聴者に見てもらえるのだと思っています。ドキュメンタリー好きの方には、音楽がないほうが良いと言われることも多いのですが、長く話を聞いてもらうには、音楽の力が必要なのです。だから選曲作業はとても大事にしていて、今でも自分で音源を探しています。

――音源はYouTubeの公式ライブラリなどを利用しているのでしょうか?

三谷さん 主に国内外のフリー音源を利用しています。それをジャンル別に分類して、あらかじめ整理しておくという手法をとっています。バイオレンスっぽい曲、犯罪めいた雰囲気の曲、という感じで分類して、13くらいのフォルダーに分けています。
そしてフォルダーの中には「特徴がない」というフォルダーもあります。これがとても大事です。特徴がない曲が必要となることも多いのです。これがないと視聴を維持できない、というシチュエーションですね。
こうして出来上がった選曲フォルダーは、編集チームで共有しています。フリー音源でも、今では映画のサウンドトラックなみのクオリティがありますから、YouTubeだからといって質が劣るということはありません。
ヒカルさんやヒカキンさんのチャンネルと違って、こちらは毎回出ている人が違いますから、動画全体における音のクオリティが比較的重要になると思っています。動画を見ずに、音だけで聞いている方もたくさんいらっしゃいますし、音楽がきちんとつけられていないと、視聴時間を維持できないですね。
ただ、音が大事とはいえ、音がないほうが良いシチュエーションもあります。そこを見分けられるかどうかが、プロと一般の違いというところでしょうか。

■データドリブンの動画制作スキームとは

――YouTubeでは動画ごとに多様な視聴データが取得できますが、三谷さんはそれをどう活用されていますか?

三谷さん 最重要視しているのは、インプレッション数とクリック率でしょうか。動画がどれくらい表示されて、サムネイルがどれだけクリックされたかという数字ですね。
街録chの場合、サムネイルは真ん中に顔があって、両横に文字が入っているというスタイルが定番ですが、その文字の中身や顔写真の違いによって、数字がまったく違ってきます。
動画の初速が良くない時は、ためらわずにサムネイルを変更します。公開から1時間以内に、決断と差し替えを終えるくらいのスピード感です。
あとは、コメント数を重視されるYouTuberさんが多いと思うのですが、コメントというのは基本的に、出演者の方に向けられたメッセージだと僕は思っています。街録chの場合は出演者が毎回違うので、コメント数を増やすための工夫をしようと思っても、やはり限界がありますよね。エールを送りたくなるような出演者が出てくると、自然とコメント数は多くなるので、これを基準に動画のクオリティを判断するのは難しいです。
動画のクオリティを推測するために重要なのは、やはり視聴時間の長さではないかと思います。街録chだと、平均して13分くらいは視聴を維持できているのですが、それが9分だったりすると、動画のクオリティに問題があるのかなと考えます。
とはいえ、この数字だけで判断するのも難しいところがあります。たとえば美女が喋っていて、内容がセクシーな動画なら、平均視聴時間が長くなると思うじゃないですか。ところが実際には逆だったりするのです。サムネイルでセクシーな動画を期待してクリックした人が、真剣な悩みの話を長時間聞いてくれるかというと、そうではないですよね。
そういう動画でも、サムネイルや動画そのものの作りをもっと適切に、ハイクオリティにできれば、平均視聴時間は伸びるはずです。単純に、面白い動画なら、もっと長く見たいと思ってもらえるじゃないですか。だから視聴時間のデータというのは、動画の面白さを、より根本的に反映している数字だと思うのですね。

■YouTube動画制作の現在と未来

(マジメ10th記念OPVTR撮影風景2)

――三谷さん的には、YouTubeや動画制作の世界はどう変化していくと考えていますか?

三谷さん AIでテーマを決めて、AIが動画を作るような時代になってきています。ジャンルやカテゴリという単位で考えていると、競合が多くなって戦えないでしょうね。
このジャンルを知名度のある人がやれば絶対に当たります、という時代が過去にはありましたが、もうこれからは厳しいでしょう。芸能人が適当になにかをやっても、うんともすんとも言わないようになっています。だから、計算で作られたコンテンツでは、この先は厳しいと思います。
「共感されるかどうかわからないけど、とりあえず作ってみよう」というくらいの、エモーショナルな動画のほうが、まだ可能性を感じますね。
あとはジャンルに依存していると、時代の流れで淘汰されるということもあります。コロナ禍でキャンプの動画が劇的に伸びましたが、今ではアウトドアブーム自体が下火になっているので、強い人でも現状維持、そうでない人は淘汰されてしまっています。
もうジャンルありきや、受注ありきではなくて、他人がやってないことを、世の中にないものを探すという勝負になっています。自分が作って、自分が面白いと思うものを、出していくしかないのです。
たとえばバキバキ童貞さん。彼はもともと芸人さんで、お笑い界隈ではもともと面白いと言われていたわけですが、童貞であるというインタビューの画像が拡散されて、ネットミームになることで大ブレイクしました。
自分だけが持っている個性を強引にラベリングして、うまくプロデュースしていくことが、これからは1番大事なのではないでしょうか。そういうものは、自分と向き合うことで、見つけられると思うのです。自分と完全に同じ人間なんて、世の中に1人もいないのですから。

書いた人
あらいちゅー Xアカウント

大学生時代にフリーライターとしてデビュー。週刊誌などを中心に、主にサブカルチャーや芸能の分野で活動する。
大学院卒業後に地方競馬の馬主と大家と占い師をはじめ、現在は高円寺で占いの館とシーシャバーも経営。
タレントリストではインタビュー企画を中心にライティングを担当。インタビュイーとのコミュニケーションから刺激を受け、日々楽しく働いている。